MDRにおける、クラスⅠ 医療機器に対する新たな要求事項

欧州での医療機器の分類

欧州連合(EU)では、医療機器は4つのクラスに分類されています。クラスⅠ、クラスⅡa、クラスⅡb、クラスⅢです。クラスIは最もリスクの低いもので、クラスIIIは最もリスクの高いものになります。

また、クラスⅠには3つの「サブクラス」があります。

  • 滅菌された状態で提供されるクラスⅠ(Cl Is):膣鏡のような製造者によって滅菌された単純な機器
  • 測定機能を持つクラスⅠ(Cl Im):目盛り付き尿バッグ/尿受けなど
  • 再使用型のクラスⅠ(Cl Ir):外科手術に使用される手術用ハサミや鉗子などの再使用型手術器具で、適切な局所洗浄と滅菌の後に再使用されるもの

滅菌されておらず、測定機能がなく、再使用可能な手術器具でないクラスⅠ(例えば、矯正用眼鏡、装具、松葉杖など)を除き、すべての医療機器は適合性評価のためにノーティファイドボディの関与が必要です。

CEマークと4桁の数字

ノーティファイドボディの介入が必要な医療機器には、CEマークの他にノーティファイドボディに対応する4桁の番号が表示されます。

しかし、低リスクのクラスⅠ機器(例えば、矯正用眼鏡、装具、松葉杖など)の製造者は、新規則に適合するために何もしなくてよいでしょうか?もちろん、そんなことはありません。

これらのルールは、医療機器コーディネーション・グループにより、文書MDCG 2019-15 rev.1、および次の要約で明確化されています。つまり、クラスⅠ機器の製造業者は、リスクの高い医療機器製造業者とほぼ同じ技術文書を用意し、同様の注意を払って製造しなければなりません。

実際、旧医療機器指令(MDD)比べて原則の変更はありませんが、規制変更に伴い、メーカーは新しい医療機器規則(EU)2017/745に準拠するように技術文書と品質管理システムを更新する必要があります。

医療機器をEU市場で販売するための条件

したがって、MDRに対する準拠宣言書(DoC)を新規作成するなど、機器を上市する前に、メーカーは以下の様ないくつかの作業を完了させる必要があります。

  • 製品が医療機器であることを確認し、更には(分類規則が変更されたため)その分類を確認する
  • 品質管理システム(ISO 13485)の導入。認定機関またはノーティファイドボディによる認証が望ましい
  • 臨床評価の実施
  • 技術文書でデバイスの適合性を評価する。すなわち、一般安全性能要件(GSPR)に準拠していること
  • リスク分析の実施とリスクマネジメントシステムの導入
  • 生物学的安全性評価報告書の更新(適用規格が大幅に変更されたため)
  • 技術資料を常に最新の状態に保つ
  • 機器に添付する必要な情報をすべて準備する。既存製品については、IFUとラベルは、新たに要求されたすべての変更(附属書Ⅰの第23条)を反映し、機器の利用が想定されるすべての言語で改訂する必要がある
  • 策定した計画に基づき、QMSに統合した市販後調査の実施
  • ビジランス報告・登録システムの導入
  • EUDAMEDのデータベースに経済事業者として登録
  • 2025年5月26日までに機器とその包装にUDIを付与する
  • 第15条の資格要件を満たす規制遵守責任者を指定する
  • EU域外のメーカーの場合、EU加盟国に所在する認定代理店と契約を締結する

メーカーはいつからこの規制に準拠すればよいか?

分類が変更されておらず、2021年5月26日以前に旧医療機器指令(MDD)に従って準拠宣言が作成されたクラスⅠ機器、および分類が変更されノーティファイドボディの介入が必要となった機器について、製造者は2024年5月26日までに上記の点を順守しなければなりません。

さらに、有効なMDD証明書を持ち、猶予期間の恩恵を受ける機器については、いくつかの要求事項が直ちに適用されます:市販後調査、警戒報告、登録、および変化の少ない機器の凍結です。

実際、これらの要求事項は、2021年5月26日以降、新たにEU市場に投入されるクラスⅠ機器に対してのみ義務付けられています。

猶予期間が短いようにも見えますが、該当の新規制は2017年4月に発表され、更には2017年以前からも議論されて来たものなので、医療機器メーカーにとっては驚きではないはずです。

それでは、メーカーは2024年まで、何も手を打たずに待てばいいということでしょうか?もちろんそうではありません。この新しい規制に対応するためには、かなりの時間と労力が必要となります。

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